ずっとずっと とおくにいても

ずっとずっと あえなくても

わたしは あなたを すきで いるよ。





ずっとずっと とおくにいても

ずっとずっと あえなくても

ボクは あなたを すきで いるよ。






ずっと・・・






ドンッ!!!

「きゃっ!!」

角を曲がろうとしていたふたりは、相手に気付かず、ぶつかった。

「いたたた・・・」
「わっ・・・ごめんなさいっ!大丈夫ですか!?」

しりもちをついた少女に手をさしのべたのは塔矢アキラ。
おかっぱ頭で、下手すれば女の子に見えてしまうほどの美少年だった。

「あ・・・大丈夫です。すみません・・・。」

と、少女が言って、ふたりが顔を見合わせたその時。

「「あれ?」」

お互い目をぱちぱちさせる。

「・・・・・・・・・アキラ・・・くん?」
「・・・・・・さん・・・さん・・・だよね?」
「・・・そ、そうだよ!覚えててくれたんだー!」
「もちろんだよ。さんも、ボクのこと覚えててくれたんだね。」
「あたりまえ!だってクラスメイトだもん!」

・・・その言葉にアキラの顔が一瞬曇ったように見えたが、
すぐにいつもの笑顔となった。

「小学校の卒業式以来だから、2年ぶりだよね。」
「そうだねー!アキラくん中学は私立行っちゃったから。」
「制服だけど今日はなんでこっちに?家反対だよね?」
「あ、うん。今日はね、こっちに用があったんだ。
家にいったん帰るのも面倒だったから制服できちゃった。」
「そうなんだ・・・」
「それ、海王中の制服だよね?」

アキラの着ている服を指さして言った。

「うん。」
「かっこいいねー。それにあんまりないデザインだね。
うちの学校学ランだから・・・。」
「へー・・・」
「・・・・・・・・・あ、そうそう!」

がぽんっと手を叩いた。

「なに?」
「私ね、囲碁部、入ってるんだっ」
「・・・えっ・・・ホントに!?」
「うん。」
「でも・・・あんまり興味なさそうだったじゃない?」
「・・・まぁね!へへ・・・」
「・・・?」

少し照れたようにはこう言った。

「・・・好きなひとが、やってたからなんだ。」
「え・・・っ・・・・・・」
「・・・・・・あ、はは!言っちゃった!ね、内緒だよ?」
「・・・う・・・うん・・・・・・。」

アキラは、ショックだった。
実は密かにに恋心を抱いていたからである。
2年前、この先いつ会えるかわからないに想いを伝えようとしたが
人気のあるアキラは私立に行くせいもあって
女子達に囲まれ、に話しかけることすらできなかった。

(・・・今日は・・・チャンスかもしれない。)

アキラはそう思った。


「ねぇ、アキラくんってさ、プロなんだよね?」
「・・・・・・あ・・・うん。」
「・・・あの・・・ね?」
「・・・・・・・・・?」
「一局、やりませんか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっ」
「・・・あっ!あのね!!私は弱いよ!!もうめちゃくちゃ!!
なのにプロのアキラくんに初心者の私が対局申し込むなんて
何偉そうなコト言ってるんだって突っ込まれるのも当たり前だと思ってる。
でもね、でもね、弱いけど、せっかくこうやって久しぶりに会えたんだし、
・・・アキラくんに、碁を覚えた私を見てほしいの!」

『私を見てほしい』
そのセリフは見方を変えれば告白にもとれた。
案の定、アキラは告白ととってしまい、顔が一気に赤くなる。

「・・・アキラくん・・・ダメ・・・かな?」

上目遣いで見つめられ、思わずアキラの心臓が踊った。

「あ・・・やっぱりプロとやるときはお金いる・・・かな・・・。」
「っ!!いらないよ!!」

アキラが力強く言った。

「お金なんて、いらない。さんと対局できるだけで充分だよ。」
「・・・え?・・・ってコトは・・・」
「やりましょう。ボクの家、すぐそこなんだ。おいでよ。」
「・・・うん!」










「はー・・・負けました。」
「ありがとうございました。」

結果はアキラの圧勝。
それでもお互いはすっきりした表情で、向き合って座っていた。

「やっぱりアキラくん強いね。私なんかじゃダメだぁ。」
「ありがとう・・・。でも、さんだって十分素質を持ってるよ。
ボクもときどきドキッとするようなモノを打ってきてたし・・・」
「そーかな?ありがとう。アキラくんにそう言われるとなんか嬉しいなぁ」

少し照れたように笑顔で答える
その笑顔を見てアキラの心臓の動きが少し、速くなった。

「・・・でも、よかった。アキラくんに会えて。」
「・・・うん。ボクも。」
「・・・・・・・・・これで、心残りは・・・ない・・・な。」
「・・・え?」
「・・・・・・・・・」
「・・・心残りはない・・・って・・・・・・?」
「・・・・・・・・・。」

さっきまで晴れていたの表情が一気に曇る。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・さん?」
「・・・・・・・・・私・・・ね」
「・・・・・・」
「・・・イギリスに行くの。お父さんの仕事で。」

アキラは驚いた。

「いつ・・・日本を発つの?」
「・・・あさって。」
「・・・・・・戻ってくるのはいつ?」
「・・・わかんない。」

視線を自分の膝にやり、いまにも泣きそうな声と表情で答える

「・・・最後に・・・アキラくんに会えて・・・
思い出ができて、よかった・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

驚きを隠せないでいるアキラ。
なんだか嫌な空気が部屋中を漂い、耐えきれなくなったのかが立ち上がった。

「私、もう・・・行くね。ありがとう、楽しかった。」

さんは、イギリスに行ってしまう。

ボクは、日本にいる。

次はいつ会えるかわからない・・・?

このキモチを伝えられない・・・?





そんなの、嫌だ。





部屋を出ようとしたの腕を、アキラがとっさに掴み、を自分の胸へ抱き寄せた。
は何が起きたのかわからず、ひたすら涙の出てくる瞳をぱちぱちさせた。

「・・・・・・あ・・・アキラくん?」
「・・・さんが好きだよ。
小学校の時から、いままで、ずっと。
ずっと、君を忘れたことなんて、なかった。」
「・・・アキラくん・・・」

を抱きしめる腕に、力を入れた。

「さっき、好きな人が囲碁をやってたからさんも始めたって聞いたとき、
ほんとにつらかった。くやしかった。
さんは、まだその人を好きかもしれないけ・・・」

それを聞き、はアキラの制服をぎゅっと握り、彼の言葉を遮った。

「アキラくん、気付いてよ。」
「・・・え?」

アキラの腕の中で、真っ赤な顔をしたが言った。

「・・・私のまわりで囲碁をやってるのは、アキラくんだけだよ。」
「・・・・・・・・・えっ!?」

はアキラに抱きしめられながらも顔を上げ、驚くアキラの唇に自分の唇を重ねた。
そして、唇を離し、こう言った。

「・・・好き。アキラくんが、好きだよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

もアキラも、赤くなってうつむいた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

長い長い沈黙のあと、最初に口を開いたのはだった。

「・・・ホントはね、こっちに用なんてなかったの。
最後に、アキラくんに会いたくて・・・
アキラくんの家の近くにくれば、もしかしたら会えるかもって思って・・・」

真っ赤な顔をして、アキラの胸にしがみついて話す
アキラはすごく愛しいと思った。
そして、のサラサラした髪を手にとり、軽く口付けた。

「・・・アキラくん?」
「・・・・・・ありがとう。」
「・・・・・・・・・・・・・・・」

は嬉しそうにアキラの背中に腕を回し、力をこめた。

「・・・大好きだよ。アキラくん。」
「・・・ボクもさんが、大好きだよ。」
「・・・手紙、書くね。」
「・・・うん。ボクも。」





ずっとずっと とおくにいても

ずっとずっと あえなくても

わたしは あなたを すきで いるよ。





ずっとずっと とおくにいても

ずっとずっと あえなくても

ボクは あなたを すきで いるよ。





ずっと・・・・・・・・・ずっと・・・・・・・・・・・・










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アキラくんキャラ違いすぎ。
以上っ。(逃亡

020413

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