もうすぐ春なのにね。 春なのに・・・ 私のココロには北風が吹いてる。 凍るような、冷たい、北風が・・・。 雪解け 「もーーーっ!!!信じらんない!!! なんで!せっかくのデートなのに!今日ダメんなったって!電話してくんのよ!! これで何回目だと思う!?つきあい始めて3カ月だけどもう4回もあんのよ!? 加賀のバカっっ!!!!!!」 「・・・まーまー、落ち着こうよ、。」 ファーストフード店で立ち上がって騒ぐ私が恥ずかしかったのか、 友達のは、なだめようと私にジュースを渡した。 それを一気に飲み干す。 「落ち着いた?」 優しい笑顔でそう言われると、座るしかない。 「・・・うん。・・・ごめん。」 「そ。よかった。 ね、それでさ、なんでキャンセルされちゃったの?デート。」 ・・・痛いところを、つかれた。 「・・・わかんない。」 「・・・へ?」 「・・・理由、なんも言ってくれなかったの。」 「・・・・・・。」 「・・・理由、言ってくれれば・・・こんなに・・・」 こんなに不安にならなくてすむのに・・・ 加賀ってさ、不良だけど、カッコ良くて、もてるんだよ。 それに比べて、私はどこにでもいるような、地味なのだし、 すぐ加賀とケンカするし・・・ ホントに加賀の彼女でいていいのか・・・って思って・・・ 何回もデートのドタキャンがあると、不安になる。 加賀が、別に好きなヒトを作っちゃったらどうしよう・・・って思って・・・ ・・・涙が、出てきた。 「・・・・・・」 「・・・ごめ・・・ん・・・」 拭っても拭っても、溢れてくる。 するとが何かを見つけて、指さした。 「・・・あ・・・れっ。!あれ、加賀くん!?」 「えっ!?」 まだぼやけている目を必死にこすって、加賀の姿を探す。 ・・・加賀だ。 ・・・・・・どうしてデートをキャンセルしたのか、どうしてそこにいるのか知りたくて、 急いで追いかける。 ・・・公園。 公園? なんでこんなトコロに用があるの?? ・・・その時、ひとりの女の子が、加賀に話しかけた。 「・・・だれ?あの子・・・。」 「・・・・・・・・・・・・し・・・らない・・・。」 なんか、親しげにはなしてる。 ・・・私には見せない優しい瞳で、加賀がはなしてる。 ・・・そっか。 やっぱり・・・好きな子がほかにできたんだね。 ・・・・・・そうだよ。 あの子、私なんかより、ずっとかわいいし、優しそう。 絶対、加賀が好きになるわけだよ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 「・・・・・・・・・」 冷たいものが、頬を伝った。 いつもだったら、感情的になって、加賀にとっつきに行くけど、 ・・・今日はなんか・・・何もしたくない。 「・・・今日は、帰るわ。ありがと、付き合ってくれて。 ごめんね、なんか・・・グチったりして。 ・・・じゃあね・・・。」 「あっ・・・・・・!」 が止めようとしたけど、振り払って、帰った。 ・・・さようなら。 ・・・もう、私だめだ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・別れよう。 加賀に、電話した。 待ち合わせは、さっきの公園にした。 ちょうどあしたから母さんが2泊3日の出張だから、 食事一緒にしよう、って理由をつけて。 理由をつけないと、なんか・・・電話しにくかった。 「・・・おっ。やっと来たか。」 「・・・・・・・・・」 「・・・どうしたんだよ。目ーなんか腫れてねぇか?」 ・・・誰のせいよ。 のんきにはなす加賀に苛立ちを覚えた。 ・・・私はずっと、泣いてたのに。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 本気で、加賀を睨んだ。 「・・・何だよ。」 ・・・何だよ、じゃないでしょ!?何だよ、じゃ!! 私という彼女との約束をほっぽって、他の子とデート!? 冗談じゃない!! ・・・と言いたいのをこらえた。 感情的になったら、泣いちゃうから。 「・・・きのう。 ・・・なんで、デートキャンセルしたの?」 「・・・・・・・・・・・・」 言えない・・・ほら、やっぱりあの子とはデートしてたんだ。 「・・・知ってるよ、私。」 「は?」 今にも泣きそうなのをこらえて、言った。 「・・・女の子といたでしょ。」 「・・・見てたのかよ。」 「・・・あの子と、つきあってるんでしょ。 ・・・よかったね。幸せだね。」 加賀の表情が厳しくなった。 「・・・何言ってんだよ。」 「・・・今日はね、加賀と別れようと思って・・・それを言いにきた・・・の。」 ・・・必死に、笑顔を作る・・・ 「別れる・・・?何でだよ。 俺はあいつと付き合ってなんかいねぇ。 おまえ勘違いしすぎーーーー・・・」 ・・・だめだった。 涙が、止まらない。 「・・・嘘ついたってだめだよ。・・・見たもん。 ・・・嬉しそうに、はなしてる加賀。」 「付き合ってねぇよ。あいつは俺のイトコ。 なんか筒井のことが好きだからあいつらの仲を取り持っただけだ。」 「それって、デートをキャンセルするほど大切なことなの?」 ・・・言った後、私はなんてワガママなんだろう・・・と思った。 「あいつは・・・ピアノだとか茶道だとかに忙しくてあんまり自由な時間がないんだよ。 だから、時間のあるときだけは・・・」 「そこまでするってことは、・・・加賀は・・・その子が・・・・・・好き、なんでしょ?」 「俺が好きなのは、だけだ!!」 即答。 ・・・・・・一瞬、私の持っていた柱が揺れた。 「・・・・・・・・嘘。」 「嘘じゃねぇよ!!」 ・・・怒鳴られて、ちょっと怯んだ。 だけど・・・意地っ張りな私は、つい、言ってしまった。 「・・・じゃあ、証明して?」 ・・・冷たい風が吹いた。 もう3月だけど、まだまだ冷え込む。 「今から私の言うコトができたら信じる。」 加賀を見つめる。 加賀も、私を見つめる。 「・・・・・・いいぜ。なにをすればいいんだ?」 「・・・雪。」 「・・・雪?」 「・・・雪、降らせて。」 3月に雪なんて、私の住んでるトコロじゃ聞いたことがなかった。 「・・・雪?」 「雪。・・・できない?」 ちょっと意地悪く言った。 でも、加賀は引き下がるヤツじゃない。 「・・・やったろーじゃん。」 「じゃあ、それで、積もったら、私と雪うさぎ作って。」 「いいぜ。」 自信満々に答える加賀に、ちょっとびっくりした。 だから、また、意地を張ってしまった。 「・・・それから、今日中だよ?」 「わかってる。」 「・・・・・・じゃあね。」 そう言って、私は家に帰った。 早く加賀から離れないと、あきらめられなくなる、と思ったから。 もう・・・どれくらい経っただろう。 ・・・10時。 ・・・・・・雪なんか・・・降るわけないか。 そう考えた自分にハッとした。 ・・・加賀をあきらめてない? ・・・・・・どこかで、加賀が来てくれるのを期待してる? ・・・でももう、取り返しはつかない。 ピンポーーン・・・・ 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 誰か来た・・・。こんな遅くに誰だろ・・・。 ピンポーーン・・・・ 「・・・・・・出るのめんどくさ。」 というわけで、ばっちり無視をしてみた。が。 ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポーーーーーン。 あまりにしつこかったので、キレた。 しつこく押す主に一言文句を言ってやろうと玄関へ向かう。 鍵を開け、扉を開けた。 そこには・・・ ・・・加賀がいた。 「か・・・が・・・・・・?・・・なんで・・・?」 なんだか、額に汗が見えた。 ・・・走ってきたのだろうか。 「・・・雪。」 ・・・え? 「・・・雪、降ってきた。」 ぽつり、と言った。 ドアの外に視線をやると・・・ はらり・・・はらり・・・ 白いものが、真っ暗な空を舞っていた。 気付かなかった。 けっこう前から降っていたようで、世界がうっすらと白く染まっていた。 「・・・雪、降らせたからな。約束だ。信じてもらうぜ。」 勝ち誇ったように、加賀が言った。 胸が、なんか、熱くなった。 「・・・・・・偶然じゃんか。」 瞳も、熱くなった。 からだ全体が、暖かいもので包み込まれた。 ・・・加賀の、腕で、包み込まれた。 「こうやって、雪を降らすことが出来たんだ。 わかっただろ?俺が一番好きなのは、だってコトが。」 偶然・・・じゃないかもしれない。 加賀は、ホントに一番私のことを好きでいてくれてるんだ・・・ だから・・・ホントに、雪を降らすことができたんだ・・・。 自惚れてるようだけど、加賀のあったかい胸に抱かれて、そう思った。 「・・・うん。わかった・・・。」 「・・・が、好きだ。」 「・・・・・・・・・・私も、加賀が好きだよ。」 加賀は、私を抱きしめる腕に、少しだけ、力を入れた。 私の涙が、止まるまで。 「・・・さて!行きますか!?」 「・・・どこにだよ。」 「公園!雪うさぎ、作ってくれるんでしょ?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・あー・・・しょーがねぇ、作ってやるか。」 私に手を繋がれ、ちょっと照れたように加賀は言った。 なんだか、その加賀が可愛くて・・・ 軽く、加賀の唇に、自分の唇をあててみた。 外は、すごくすごく寒かったけど・・・ 私たちのココロは、春みたいに暖かかった。 もうすぐ雪が溶けて 春が来る。 -------------------------------------------------- いや、シリアスのつもりで書いたんですけどね。 どーでしょう。 てかなんかさっぱりわけわかりません。 とりあえづ、一方的倦怠期(ハ?)が書きたかったのです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・。 ダメです。 ごめんなさい。 まぁ、そんなワケで!以上です! 加賀ファンのみなさま、本当にへっぽこな内容で申し訳ありません! ではでは、こんなモノを読んで下さってどうもありがとうございました。 ・・・なにげに続きもあったりしますので。(ヤメロ 020408 * このままウィンドウを閉じて下さい * |