triangle









「私、不二くんが、好きなの・・・・」





外は真っ暗で、もうほとんどの生徒が下校した校舎に声が響きそうなくらい、静かだった。

「・・・そうか・・・。」

いつもはポーカーフェイスな手塚の表情が、なんだか少し、寂しそうに見えた。

「ごめんなさい・・・。」
「・・・何故謝る。」
「・・・私のこと想ってくれてたのに・・・」
「・・・・・・気にするな。」
「・・・ありがとう・・・・・・。」

すると手塚は机にある書類をまとめた。

「あ、職員室に持って行かなきゃね。」
「いや、お前はいい。先に帰れ。」
「嫌。」
「・・・・・・帰れ。」
「やだ。」
「・・・何故だ。」
「だって、これは私の仕事でもあるもん。
まかされたらきっちりやり遂げなきゃ。」
「・・・しょうがないな。」

二人は荷物をまとめ、生徒会室を後にした。










職員室での用を終え、校舎を出ると、昼間と違って少し涼しかった。
さっきの火照りが冷まされるようで、心地よかった。

「・・・あれ?」
「・・・どうした。」
「パスケース、さっき昇降口まで持ってたんだけど邪魔だからって置いたら
忘れて来ちゃった。取ってくるね。」

そういうとは昇降口まで走っていった。
手塚は相変わらずだな・・・と思いながら足を進めると、
不二が校門のそばに立っていたのが見えた。

「不二・・・。」
「手塚・・・。」

しばらく沈黙した後、手塚が不二に近寄り、小さな声で言った。










に辛い思いをさせたらグラウンド200周だ。」










不二は何があったか、すぐに理解した。

「・・・君も相変わらずだね。・・・・・・でも、ありがとう。」

クスっと笑った。

すると手塚は、校門を後にした。
その後ろ姿は少し、寂しそうに見えた。

その後すぐにが走ってやってきた。

「あれっ。不二くん!?なんでここに・・・!?
ていうか手塚くんは?」
「帰った。気を利かせてくれたみたいだよ。」
「えっ?」









後ろから、不二に抱きしめられた。

「ふふふふふふふふふふ不二君!?ななななななな・・・!!」





「・・・・・・・・・が好きだよ。」











抱きしめる力が強くなる。





「・・・冗談じゃなくて、本気で好きだよ。」










「・・・素直なトコもちょっとドジなトコも全部ひっくるめて、大好きだよ。」










不二の鼓動が伝わってきた。










「・・・不二くん・・・・・・。」




自分をを抱きしめている不二の腕に手を添えて、が言った。










「私も、不二くんが好き・・・」






























月明かりの照らす中、





二つの影は、





長く伸びた手の先で、










一つに繋がっていた。









fine.

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分岐不二ver.でした!
なんかすっごい手塚がかわいそうでかわいそうで・・・;
それでもどうやってもこんな感じにしかならなかったので
結局コレでアップしました。
手塚ファンの方、申し訳ないです;

でもなんかまとまってないですね。
・・・うーん・・・;
雰囲気とかは気に入ってるんですけども。

では、ココまで読んで下さってありがとうございました。
次はもっとしっかりしたモノが書けるよう、頑張ります・・・

020803

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