なんか、ここんトコ曇り空ばっかりで 太陽が恋しかった。 風も、全然吹かなくて 暑くて苦しかった。 風 - - - ピンポーン - - - インターホンが鳴る。 扉をそっと開けると・・・だった。 「・・・義高・・・大丈夫・・・・・?」 心配そうな瞳で、見つめてきた。 の顔を見たら少し気が抜けて、軽く抱き寄せた。 「・・・・・・」 最近の成績は、曇り空。 進藤や伊角さんたちはめちゃくちゃ連勝中なのに、俺は連敗。 思うように打てない。 ・・・苦しい。 「・・・メールの回数増えてきたし・・・ なんか・・・あったんじゃないか・・・って思って、来たの。」 特に意識したつもりはないけど苦しさを紛らわしたくて、 誰かに甘えたくて、 自然とメールの数が増えたのかもしれない。 でも、増えたのはほんの少し。 少しの変化には気がついた。 自惚れているようだけど、愛されてるな、と実感する。 そして、少しだけ、心が軽くなる。 「・・・・・・」 ちょっとだけ、を抱きしめる腕に、力を入れた。 そうしたらも抱きしめ返してくれた。 の香りがする。 落ち着く・・・ が暖かいミルクティーを入れてくれた。 俺の部屋にそんな洒落たものはないから、きっと持ってきてくれたのだろう。 俺が好きなことを知ってるから・・・ 六畳の狭い部屋で、二人静かにミルクティーをすする中、言った。 「ずっと・・・曇り空なんだ・・・」 「え・・・?」 「・・・・・・・・・・連敗・・・」 「・・・・・・・・・・・」 はカップをそっと置き、悲しそうな顔で俺を見つめた。 「・・・すごい、今までに経験したことないくらいの連敗なんだ。」 「・・・・・・」 「・・・進藤や、伊角さん、越智・・・みんな連勝して どんどん進んでいくのに、俺だけ足踏みしてて・・・」 だんだん話すのが辛くなってきて俯くと、視界が暗くなった。 の甘い香りが、してくる。 の体温を、感じる。 の、鼓動を、感じる。 「・・・いいんだよ義高・・・」 「・・・・?」 「人生ってね、ずっとずっとうまくいくことなんてないの。 たくさん苦しんで、悩んで・・・立ち止まるの。」 「・・・・・・・」 「進藤くん、見たでしょ?いつかにずっと連敗してて・・・ 誰にでも、そういうときがあるんだよ。」 「・・・・・・・・」 「私にも、いっぱいあったし、これからも、あると思う。」 「・・・・・・・・・・」 「きっとね、たまにはこうやって立ち止まった方が、いいんだよ。 ずっと走ってたら疲れちゃうもの。」 にっこりと、笑う。 「・・・だから、辛いときは、無理しないで私を呼んで。 いつでも義高の側にくるから。」 「・・・・・・・・・」 は、優しい。 といると、落ち着く。 ・・・本当に、が、好きだ。 「・・・・・・」 「ん?」 「・・・俺の風になってくれるか?」 「もちろん!いつでも、義高をにかかった雲を吹き飛ばしてあげるよ!」 「・・・・・・さんきゅ・・・。」 そういうとの背中に腕を回して、抱きしめられながらも抱きしめた。 ここんとこ曇り空だったけど、 ある日風が吹いて、雲を吹き飛ばしたんだ。 あたたかい、やさしい風が・・・ fine. -------------------------------------------------- やーなんかシリアスで!そして私にしては短かったですね! いや、妙にスクロールバーがちっさくなっているのは 改行で場所を取ってるんです!今回は文字数少なかったですよー。 まぁたまにはシリアスなのも書きたいなーと思ったので書いたんですけどどうですかね。 ちょっと抽象的な表現にしてみたので、 ・・・とか思ってるんですけど。うーん・・・? テーマとしては、上から和谷くんを抱えよう!ってコトで。(ハ? いつもはヒロインさんが和谷くんの胸にいるんですが、 今回は和谷くんがヒロインさんの胸にいるんですね。 ちょっとポイントですよ☆ 基本的に受け身な女のコがスキなんですけどたまにはこんなのもいいかなーとか。 それにしても和谷くんポエマーすぎますか? ちょっと軟弱すぎますか? ・・・スイマセン。 なんだかんだいいつつも、書いてて楽しかったです。 では、ここまで読んでくださってありがとうございました。 次回はもっと良いモノが書けるよう精進いたします・・・。 020801 * このままウィンドウを閉じて下さい * |