a spring afternoon








ぽかぽかな春。
まったーり、のんびーり、彼の部屋。

「眠い・・・」

彼は眠そうに、畳んで隅っこにおいてある布団に寄りかかる。

「・・・寝れば?」

なんか今日はその姿がかわいくていつもは寝そうになると怒った私も
ちょっと許してみた。

「・・・なに、どういう心境の変化?」
「別に?眠いの我慢するのはよくないんじゃないかなーとか思って。」
「・・・いつもは子供みたいにすっげぇ怒るくせに。」
「私は大人になりました。」
「そうかー?」
「そうよっ」
「まあ確かに最近きれいになったよなー」
「・・・・・・」

いつもは言わないような台詞をさらりと言ってのけた。
・・・これも睡魔に襲われてるせい?

「ホントに寝ていいよ。私さっき雑誌買ってきたから時間潰せるし。」
「・・・いや。」
「は?」
「・・・おまえも寝ろよ。」
「・・・!?」

腕を引っ張られて、畳んだ布団に倒れ込んだ。
目を開けると正面に彼の寝顔。
あと何センチで・・・
それくらい、近い。

「・・・寝るの早すぎ。」

そう言いつつも彼をじっと見てみる。
ちょっとボロい窓から入ってくる光で、茶色い髪が透けてすごく、きれい。
最近大人っぽくなったけどまだ幼さの残る顔。
その口唇からは子供のような寝息を立てている。
赤ちゃんがお気に入りのタオルを離さないようにしっかりと私の手首をつかむごつごつした手。
そっと、私の手も重ねてみる。

「・・・大きいな。」

再び視線を彼の顔に戻す。
すると彼が動き、口を開いた。

「・・・・・・」

ドキッとした。

「・・・・・・・・・寝言か。びっくりした。」
「・・・・・・・・・大好きだ・・・」
「・・・・・・・・・・・・」

・・・・・・嬉しい。
嬉しくてたまらない。
夢の中でも私を見ててくれる。

この時間が、いつまでも続けばいいな・・・

「・・・私も、大好きだよ。」

そういって軽く、唇を重ねた。

「・・・・・・・・・なんか眠くなってきちゃった。
こいつのせいかな。」

彼を見て微笑むと、私も、瞼を閉じた。


良い夢を・・・









fine.

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ずっと前に書いて、あまりにも季節外れだから春になるまでとっておいた作品。
個人的にだいぶ気に入っています。
こういうシチュエーションは大好きなんですよー。
やはり、ほのぼのはいいですね。

とりあえず、公開出来て満足です。

ちなみにタイトルはある春の日の午後ということで。

030326

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