triangle









蝉の声が少なくなってきたとはいえ、まだまだ残暑が厳しい。
そんな中、青春学園3年・は今日も元気にテニス部マネージャーをやっている。

「よし、それじゃあ15分休憩!」

顧問である竜崎スミレが叫ぶと、みんな一斉に休憩し始める。
タオルで汗を拭く者、ドリンク飲む者、水道へ向かう者・・・。

「よいしょっと・・・」

自分のからだの半分ぐらい積み上がったタオルの山。
これをかごに入れ、は部室に運ぼうとしている。

「あれ、。」

やってきたのは3年・不二周助。

「あ、不二くん。どしたの?」
「部室にタオル忘れてきちゃって。」
「そうなんだー。」

いくらタオルとはいえ、大量にあり、重い。
は笑顔ではいるものの、からだがきつそうだ。

「・・・重そうだね。かして。」
「えっ!大丈夫だよ。部室まであとちょっとだし・・・」
「大丈夫じゃないでしょ。手、震えてるよ。」

そういうと不二は軽々との持っていたかごを抱えた。

はちっちゃいからね。大変でしょ。」
「ちっ、ちっちゃくなんかないよ!
不二くんがおっきーだけでしょ!?」
「でも僕はレギュラーの中じゃ小さい方だよ。」
「嫌味ぃー!」

頬をめいっぱい膨らませて怒る
不二は、そんながすごく可愛いと思った。

「そういえばさ、文化祭の生徒会パフォーマンスは決まったの?」
「決まったよ。」
「へぇ・・・どんなの?」
「ふふふ・・・」
「?」
「内緒っ♪当日まで楽しみにしてて♪」
「・・・そう・・・は出るの?」
「うん!」

はちょっとドジなところもあるけれど、
誰にでも優しく、飾らず、天真爛漫なので男女ともに好かれていた。
それもあってか、今年、生徒会役員に選ばれたのだった。





「でもは可愛いね。やっぱり好きだな。」





の足が止まる。

「・・・は?」
「ん?」
「・・・・・・不二くん、今なんと・・・?」
「でもは可愛いね。やっぱり好きだな。」
「・・・・・・」





なんでいきなり・・・?



顔がぐんぐん赤くなるのがわかる。



・・・・・・不二くんのことは嫌いじゃない。

むしろ、やさしくて大好き。

でもこれって恋愛感情なの・・・?





そこへ・・・

。」
「て、手塚くん!」

手塚が制服姿で来た。

「ここにいたのか。今日は文化祭の生徒会会議なのだが・・・」

の隣にいた不二と目が合った。
不二は笑顔だけど、手塚は少し、怖さを覚えた。

「あっ!そうだ忘れてたよ!!」

不二と手塚の微妙な雰囲気にも全く気がつかず、のんきに素っ頓狂な声を上げる

「そうだろうと思った。4時から生徒会室だ。遅れるな。」
「うん。ごめんね。ありがとう。
じゃあ部室にこれから行くから荷物とかも持ってくる。」

笑顔で返事をする
手塚はいつもの硬い表情が少し、柔らかくなっていたようだった。
ところが、表情には出てはいなかったものの、不二の周りにはかなり冷たい雰囲気が漂っていた。
好きなが他の男子と嬉しそうに話をしていていい気分になるわけがない。
仲よさげに話すふたりの間を割るように不二が口を開いた。

「ねぇ・・・反応ないけど聞こえなかった?」
「え?」
「・・・・・・は可愛いね。やっぱり好・・・」

手塚がいる前でさっきのセリフを言われかけ、
さっき以上に恥ずかしくなっては不二の口を手で押さえる。

「く、繰り返さなくていいよ!
は、早く部室にそれ置いて生徒会室行かなきゃ!」



ぺろっ



「ひゃっ!!」

驚いて不二の口から手を離す。

の手、おいしいね。」
「! 不二!部活に戻れ!」
「でもコレ、部室まで持って行かなきゃいけないし・・・」
「・・・俺が持って行く。」
「いや、いいよ。手塚は生徒会の方に行かなきゃいけないでしょ。」
「・・・部室に忘れ物をした。」
「・・・ふーん・・・」

あやしい・・・と言わんばかりの返事を手塚にする不二。
二人の間に張りつめた空気が流れる。

「さ、早く行こう!」

はそんな変化に全く気づいていないようだった。










「・・・ふぅっ。」
「ごめんね、重かったよね。ありがとう。」
「全然平気。が大変そうにしてるの見てたらほっとけなかっただけだし。」
「・・・あ。ありがと。」
「・・・・・・・・・・・・・・」

なんだかいい雰囲気に、今度は手塚がいい顔をしない。
ただでさえ硬い表情がさらに硬くなっている。

「さてと。ね、時間ないからココで着替えちゃう。
だからちょっと外出ててくれる?」
「うん。わかった。」
「ごめんね」
「・・・急げ。」
「わかった。ちょっと待っててね。」

部室から出ると、不二と手塚はそのまま扉に寄りかかった。

「生徒会長さん直々にお出迎えか〜」

いつもの笑顔なのに、冷たい空気だった。
手塚は容姿端麗・成績優秀・運動神経抜群・しっかり者ということで
多くの女子生徒から高い支持を得ている。
生徒会長に選ばれたのにはそれも関係していたらしい。

のナマ着替え、見たかったな・・・可愛いよね、。」

同意を求めるように青い空を仰ぎながら言った。
腕を組んで手塚はいつも以上に不機嫌そうにしている。

「・・・・・・・・あとでグラウンド20周。」

心の中ではかなり大きく頷く手塚。
でも、実際は硬い表情のまま、正面を見ている。

「ひどいなぁ。手塚も好きなんでしょ?」
「・・・30周追加。」

手塚の眉間のしわが、反応する。

「ずいぶん増えたね。
何でわかったのかって?だって手塚の反応見てたら一目瞭然だよ。」
「・・・・!」
「特別表情が軟らかくなるし。」

手塚は少し動揺しているように見えた。

「でも本人は気づいてないからね。・・・・・・安心した?」
「・・・・・・・50周追加。」
「合計100周?容赦ないね、君も。・・・・・・・・・・だけど厄介だね。」
「・・・・・・・・・?」
「彼女は鈍いから態度じゃ気づかないよ。ちゃんと言わなきゃ。」
「・・・・。」
「僕はさっき言っちゃったけどね。」
「・・・何・・・?」




















僕はさっき言っちゃったけどね。





さっきの不二の言葉が頭から離れない。

「・・・手塚くん?」
「・・・・・・・・」
「てーづーかーくーん??」
「・・・・あ。」
「あ。じゃないよ。大丈夫?」
「・・・あ、ああ。」
「もう会議終わったよ?」
「・・・・・・」

表情が険しくなる。
なにをやったのか、ちっとも覚えていない。

「どーしたの?」
「・・・すまない、寝てしまったようだ。」
「え?でも、手塚くんちゃんと仕切ってたけど。」
「・・・・?」

・・・しっかり者のせいだろうか。
ぼーっとしてても無意識に体が動いていたらしい。

「・・・そうか。」
「ふふ・・・」
「・・・なんだ・・?」
「手塚くん面白いねぇ。」
「・・・・・・」





嬉しそうに笑うを見て、

そしてさっきの不二の言葉も背中を押して、





手塚は意を決した。




「うわあ真っ暗だ・・・。」
「・・・。」
「はい?」

生徒会室から出ようとするを手塚は呼び止めた。

「・・・・・・・・」





一瞬ためらった後、言った。










が好きだ。」










「・・・・・・・・・・・・・・・」

驚きを隠せない。

まさか手塚が・・・・





・・・・沈黙が流れる。





・・・・・・手塚くんも嫌いじゃない。

むしろ一見冷たいようだけどホントはすごく優しい。

だから大好き。





でも・・・これだって恋愛感情なの?





恋愛感情だとしたら、私は・・・












長い長い沈黙の後、やっとでが口を開いた。










「・・・手塚くん、私・・・・・・・・・・・・・・」












「私も、手塚くんが好きなの・・・」  「私、不二くんが好きなの・・・」









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初のVSモノです。
不二VS手塚は白羅沙羅様のリクエストです。
リクありがとうございましたv

不二の黒さにめげずに頑張る手塚・・・とのことでしたが
どうでしょうか・・・??
黒不二目指したんですけど、なんか意地悪なだけになってしまったような・・・(沈
手塚さんも口調とかよくわかってないんですよぅ;
なのでこの人はこんなしゃべりかたしなーい!とかあっても
あんまり気にしないでやって下さい。スイマセン。

勝ち負けは私にゆだねられたのですが、
どうしても決められなかったので、分岐にしました。
どうでしょうね・・・難しかったですよ。
まだ分岐読んでない方は、よければ見てやって下さい。

では、ココまで読んで下さってありがとうございました。
次はもっとしっかりしたモノが書けるよう、頑張ります・・・

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